スポーツ・研究・家族・仕事、熟々と、、、

2児の父であり、夫であり、スポーツ愛好家である研究者の卵が、日々の事を熟々(つらつら)と書き散らします

息子、野球を辞めました。

小学4年生の息子が野球を辞めました。小学1年生の夏から始め、3年弱で辞めることになりました。
息子に非は無く、私が要因です。父親としての私の過ちを、反省を込めて書きたいと思います。

息子が野球を始めた経緯

息子が野球を始めたのは、小学1年生の夏でした。私も妻も大学までスポーツに取組み、全国大会での入賞経験もあったため、息子にも何かしらのスポーツをしてほしく、いろいろなスポーツを観戦し、興味をもったスポーツに取組んでほしいと願っていました。

私は、小学生から中学生の途中まで野球をしており、その後は他のスポーツに移りつつも、プロ野球観戦や草野球でのプレー等、身近に野球があり、息子もその影響で野球に興味をもってくれました(勘違いだったかもしれませんが、、、)。

息子が野球に興味をもってくれたことから、息子が通う小学校を活動拠点にする学童野球チームの練習を一緒に見学、体験し、勝利に拘ることのない和気あいあいとした雰囲気のチームだったことから、そのまま入部することとなりました。

私の好きな野球に息子も取組んでくれることが、とても嬉しく感じていました。

息子の野球への気持ちの変化

週末のチームの練習だけでなく、時々、平日も自主練をしていたこともあり、試合でヒットを打ったり、フライを捕球できるようになったりと、その成長は著しいものでした。

しかし、息子よりも少し後に入部した同級生によって、私の心境が変わってしまいました。その同級生は、息子よりも野球が好きで、毎日、自主練をし、その結果、息子よりも野球が上手になり、上級生の試合に出場するようになりました。

私は、小学生年代がゴールではなく、中学、高校と野球を続けてもらえるように、野球の楽しさ(時には難しさや厳しさも)を伝えることが大切だとわかっていながらも、チーム内では一番上手でいてほしい、活躍してほしい、という思いが強くなってしまい、息子にプロ野球選手になってほしいわけでもないのに、毎日、自主練をさせたり、自主練中も厳しく叱責し、息子が野球を嫌いになる要因を作ってしまいました。

その頃から、息子も野球が最初から好きじゃなかったから辞めたいと言うようになり、妻と一緒に説得しながら野球を続けさせていました。
息子からしたら、野球は父親から怒られるものという認識になっていたと思います。

息子が野球を辞めることとなったトリガー

辞めたいと言いながらも野球を続けていた息子ですが、その気持ちからチームの練習中に、上手くいかないと不貞腐れる様な態度をとることもありました。その態度について、私から怒られ、さらに野球が嫌いになっていく、悪循環に陥っていたと思います。

そんな中、息子は、チームの練習中に私以外のコーチからもその態度について怒られてしまいました。態度が悪かった息子が要因ですが、息子にとっては、野球が父親だけでなく他のコーチからも怒られるものになった瞬間でした。

不貞腐れて練習を離脱してしまい、今すぐ野球を辞めたいと訴えられた私は、これまで辞めたいと言われても何とか(無理に)続けさせてきたが、これが限界だと思い、そのままチームの代表と監督に辞める旨を伝え、退部することとなりました。

後悔と反省

帰宅後、息子とゆっくり話ましたが、私との自主練は嫌いではなかったとか、あくまでも最初から野球が好きではなかったと、息子なりに私に気を遣ってくれているこがわかり、思わず涙してしまいました。

今回の出来事は、親が子どもを潰す典型的な事例です。よく聞く話であり、気をつけなければならないとわかっていたにも関わらず、それを回避することができなかった私の力不足、心の弱さです。
息子が誰よりも野球が上手でいてほしい、誰よりも活躍してほしいと思う気持ちは、息子を思った気持ちではなく、父親としての優越感を得るための気持ちだったと思います。

「わたしには子がある。わたしには財がある」と思って愚かな者は悩む
(中村 元訳(1978)ブッダの真理のことば・感興のことば, 岩波文庫, 19頁)

子どもは親の所有物ではありません。別人格の一人の人間として、共に成長する存在であることに改めて気づかされました。
この過ちは帳消しにできません。その分、これからの息子の人生に最大限のサポート、伴走をしたいと思います。